【読書感想文】美容常識の9割はウソ
いつの世も女性は美を求める。美しくなる方法を貪欲に探求し続けて、一周回ってシンプルな美容に行き着くのもまた現代のミニマリスト的な原点回帰の考え方に影響されているのかもしれない。というか、美容がシンプルで美しくなれるならそれがいいという希望的観測な願いも混じりつつこの本を拝読。
現役形成外科医の女性が、数々の患者さんを診てきた医師の視点、またさまざまな論文を参照した論理的な視点で「美容」の真理を捉える。
ポイントは『肌に余計なことはしすぎない』ということだと思う。皮膚の構造を理解して縫合したり、薬剤投与で幹部の経緯を観察してきた医師だからこその説得力を感じさせる考え方だと感じた。
皮膚や成分の特徴については『日本化粧品検定』のテキストにわかりやすくまとめられているので、そちらの内容が理解できていればすっと入ってくる主張である。
『基本日焼け止め+保湿ローションとワセリン、たまに洗顔』がベストというスキンケア理論は、知人である薬剤師の方もまったく同じことを言っていた。医療関係の方は医療に紐づく美容に対する考え方に関してシンプルなスキンケアを推奨する方が多いような気がする。
ただしそれはそれを主張する方の売り上げに関与しない場合のみだと思う。例えばエステ関係者や美容クリニックの医師は消費者に対してこんなことは言わないはずだ。高額なスキンケアも大切な売上だからだ。
まぁ美容に限らず、その人自身の利益に結びつく意見を言ってる人を一回は疑うくせはつけた方がいいよね、とむしろ処世術に想いを馳せるよねって話。生死に直結しない「美容」に興味がある人って余剰資金があったり、生活に多少余裕のある人だと思うので、搾取されやすい貪欲な立場であることは頭の片隅に置いておく。
ここからは持論が混じるスキンケアに対する意見だけど、この本に描かれていた「広告やブランドイメージに左右されすぎない」という点にはかなり賛同する。
美容が好きな人ならみんなブランドやどこのメーカーのあれがいい、芸能人の●●が使ってた、などという雑談に花を咲かせることがストレス解消の一種なのだが、もはや棲み分けた方がいいのでは?!?!元も子もないが、実際の効能とストレス解消用のスキンケアを分ける的な……\(^o^)/
芸能人はお仕事の一環としてスポンサー的なメーカーから商品を提供されることが当然あるだろうし、ステマや薬事法を冒したPRをせずとも「愛用品です♡」とひとことアピればファンは影響を受けて商品購買意欲が刺激される。
だがしかし各々の皮膚って遺伝の要素がかなり影響すると感じるし、皮膚へのケア方法は肌質に合わせたカスタマイズが大切だと思う。
いわば容姿という観点では選民という芸能人になれる人は元の遺伝子から肌がきれいな人が多んじゃないかな?と思うし、その人のスキンケアをまるっとマネしたとして、私たちはどの程度まで美しくなれるんだろう?美肌はスキンケアにとどまらず、運動や食事のライフスタイルが多大に影響する部分ではある。
この本の著者をはじめとした医療関係者がシンプルなスキンケアを推している理由の大きな要素に、「肌のターンオーバーの力を鍛える」というポイントがあると感じる。人間の心や肉体と同じように、肌を甘やかせば甘やかすほどダルダルにだらしなくなり、自分でトラブルを解決する能力が下がるというイメージだろうか。健康維持のためには食事睡眠運動とメリハリをつけた生活が重要、みたいに肌もシンプルなサイクルが結局1番いいということだ。
1mmの厚さもない皮膚に外側からいろいろ刷り込んでも死んだ皮膚をうるおわせているだけでほぼ意味はない、という言葉にはかなり筋が通っている。高級なスキンケアに執着する必要はなく、デパコスなどのときめきは趣味の一環として楽しむべきなのかもしれない。
あとは、自分に適した美容医療を模索しつつ💴のパワーで頼るの大事(´∩・▽・。`)いい時代ですな〜!
この本に書いてあるシンプルな肌への考え方を落とし込みつつ、自分なりにカスタマイズしながら美容を楽しんでいきたいと感じました(読書感想文)