【映画感想】容疑者Xの献身
東野圭吾さんのミステリー小説が原作となった大人気シリーズの映画版。
〜あらすじ〜
とある男性の惨殺死体が川原で発見されるが、その影には元夫につきまとわれるシングルマザーと、隣人の数学教師の姿が。天才物理学者・湯川がたぐいまれなる頭脳でねじれた真実を紐解いていく。
フィクションの現実とさほど遠くないような、根本は愛であるはずなのに不器用だったりツキが悪かったりして噛み合わなくて陥る、切ない顛末の美しさに胸がずーんとなる映画。
『最愛』という神ソングの歌詞が作品にぴったりで素晴らしい。ストーリーの中で歪んでいるけど美しいひとつの愛の形を示している。
やっぱり美人を取り巻く熱量ってすさまじいものがある。美人の人生ってドラマティックで芸術みたいだけど、平穏に生きるのは本当に難しいんだなぁ。
冒頭から滞りのない映像が流れていて、セリフが少ないのに情景がとてもわかりやすくてくどくなくていい映画だった。
鬱々とした日本の朝の風景から切り替わったシーンで松雪泰子さんの美しさがパァッと天使のように映える絵の作り方かすごい鮮やかだったし、ダメな旦那さん役の方の演技が上手すぎて冒頭でのめり込んでしまう。
そしてあたりまえ体操なんだけども堤真一さんの役への変貌ぶりが凄まじいですね。
最近みた映画『ザ・ファブル』で演じられていた偽善者ぶったゲスい男・宇津帆の生々しさがえぐくて堤真一さんのことを嫌いになりそうとすら思ったのがとても印象的だった。
本作『容疑者Xの献身』石神哲哉や、堤真一さんを初めて知った『やまとなでしこ』中原欧介のような理系のおとなしい人っぽいときはそういう人にしか見えないのにすごい!きっと演じる人に多少の濁った本質みたいな要素がないと演じられない振り幅かもしれない。お芝居が上手い人は作品に没入させてくれえ観ていて疲れないから好き。
「こういう手紙、これまでも?」と刑事に問われたときの松雪泰子さんの頷き方、もうなんとも言えない名演で、、、。・°°・(>_<)・°°・。いいおぢの車に乗った娘ちゃんへのテニスラケットのプレゼントが映った時にもうわぁ……って涙してしまう。
ラストにかけての鮮やかな伏線回収にすばらしい東野圭吾ミステリーの深みと愛を感じます。東野圭吾さんそんな知らんけどめちゃくちゃおもしろ〜
【観劇感想】ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』 ~KAWAII Evolution~イケメン白サテン燕尾服
■狂乱オタクの舞台リターンズ
7/31(土)京都劇場にて開催されたミラクル☆ステージ『サンリオ男子』 ~KAWAII Evolution~夜公演を観劇させていただきましたので、感想を書かせていただきます。
オタクいじりとかわいいとキラキラと「何だこの感じ?!?!!」が入り乱れる狂乱のステージ
昨今流行りの2.5次元のジャンルとして何の括りなのか?と問われれば、「ミラクル☆ステージです」としか言いようのない、これまであんまり見たことないタイプの催しだな……?と感じさせてくれる本作。
先に観劇された有識者の方から、『爆笑した』『号泣した』というまっぷたつの意見を伺って「どゆこと?????」と不安だった。
しかし観劇を終えた私は理解(ワカ)ってしまった。笑って泣いて、人生たのしーーーーー❣️と錯乱した後にいつのまにやら京の都の盆地に突っ伏している感じ、まさに激動のステージであった。
初演のミラクル☆ステージ『サンリオ男子』を観劇させていただいた際も心で叫んだり笑ったり泣けたりしてすごい疲れたけど(褒めてる)今作もやっぱりオタクを抉ったいじり、白サテンイケメンの夢キラキラ、阿鼻叫喚のステージだった。
最新作もがっつりセンスが受け継がれていて最高でした👍👍👍
まぁ正直なところ、正統派イケメンが正統派のかっこよさで正統派なかっこいい演出や演劇をやっている姿が好きなオタクの方はあまり好まないのかな?とは思うが。。ごめんちゃい
『サンリオ男子』(というか、そもそものサンリオ)のよさは狂気と癖の強さだと感じているので、役者さんも曲者揃いで私個人的には大満足ですが(^o^)ドゥン
▶︎初演公演の感想はこちら
■オタクはキモいが、オタクは尊い生き物
オタクである私自身オタクという生態系は大好きなため、オタクを外側から見た感じを描写されるとめっちゃおもろいと思ってしまう。
それにサンリオ自体を好む層はわりと自分たちを俯瞰で見れる人が多いので、いじらないでください学級会で異議申し立てするファン層も少ない気がするのだよな。知らんけど (´∩・▽・。`)ぶたないで……!ごめんなさい!ごめんなさい!
Twitterでしか繋がってないオタクの人と初めて現場で会う時の感じ、リアルすぎ。
今回はストーリーがオムニバスではなく一本筋立っていて、案外深くてよかった。
『サンリオ男子コンテスト』みたいなやつで巻き起こるオタク男子たちの醜い争いを描いている。
『俺が1番愛してる』己の愛の大きさを主張し競い合うオタクたち。愛の形はそれぞれ違うのだが、内心バチバチでいがみ合うオタクたち。
積んでることを主張するオタク、歴の長さをアピるオタク、推しと接触(デート)したいオタク……マウント合戦、接触興味ないですアピ、観ているあなたの脳裏には走馬灯のように蘇るであろう、インターネットの海原で見かけたことのあるオタクの醜い争いが繰り広げられる。。ぬぬぬ!
ここらへんの『ハンギョドンと自撮りしてイケメンだからって上位にいきやがって』みたいな台詞、おもしろすぎました。
愛らしい見た目から役柄としては『キキララ』を付与されたなのっくす。こと西宮諒役の宮崎湧さんが、ハンギョドンガチオタなのは私ですら存じ上げている。
たまたま見た宮崎湧さんのYouTubeのサンリオキャラクター大賞動画とハンギョドン誕生日動画に泣くほど笑ったくちであるため、まさに個性派揃いのキャスティングだと感動。。
おもしろいから見ていただきたいです。
ランキングやコンテスト系でこの手の炎上はどの界隈でも存在する事をオタクは知っている。
『顔がいいだけでいい思いをする』オタクに対して『どうせ愛ないんだろ』的なバイアスとか認知の歪みがかかることは、サンリオ男子の世界でも共通のようだ。
イケメンにサンリオ愛がないわけじゃないと思うが、売名行為にサンリオなどの逆オタサーの姫理論を発動している者が一部存在する事実は否めない。おもしろ
『俺が1番愛してる‼️』
オタクはみんな推しに対してそう思っているんだな、と改めて気付かされる。
みんな自分の愛し方が正義だと思いたい。そうやって自分のキモさを正当化したいし愛を訴えたいのだ。
『1番を決めたら他の愛が間違いみたいになる』的な長谷川康太役の北川尚弥さんの台詞、胸に突き刺さりました。
狭い界隈ではそんな綺麗事より売り上げだろ!?って理論ももちろんあるんだけど、サンリオのように社会的な役割を担ってるレベルのコンテンツだとそんな小さいことでやってないよね、と思いますね。創業者である辻信太郎氏が世界平和を願ってコンテンツを作り上げてきた理念は末端の2.5次元ミュージカルにまでしっかり受け継がれているのだと感じました。
それぞれのオタクの愛の形や価値観は、ただ『好き』という尊い気持ちから始まっていて間違いなんてないんだなぁ🥲ほろり
深イイ〜としんみりしていたのだが、ラストはキラキラ出し惜しみなしスーパータイムが待っている。
■キラキラご褒美タイムは、富士山の登頂に似ている
ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』の醍醐味のひとつは、ラストに待ち構える本家サンリオキャラクターの登場シーンだろう。
白いサテンの燕尾服に身を包んだイケメンがびちっっっっとキティさんに傅く様は「なんやこれはーーーー!?」って混乱とおもろさと素敵さで本当に素晴らしい。大爆笑、最高👍
しかも白サテン燕尾服のクオリティ上がってて凝っててかわいかった。リボンをビニールで作ってサテンのバイアスで縁取っていた。摩擦でズレて縫いにくそうな異素材ミックスだけどすごくセンスよかった!ビーズのチョイスもいい!衣装さんの猛烈なこだわりを感じて素敵♡
この辺はコスプレイヤーの血が騒ぐので失敬🔥
私が観劇した回は天下のキティさん登壇回でした。
キティさん出てくるところ、くるぞ、くるぞ、出すぞ出すぞーーーー⁉️出たーーーーーーー‼️‼️‼️って出してくれるのでとてもいい。
オタクだからみんなの心のダンスフロアが爆沸きしてしまうし、これを見にきた感を外さなくてだいすきだ。
このエクスタシーは、個人的な経験でいうと富士山に登頂を果たしたときの感覚に似ていた。
我慢して我慢して、やっと景色を見れたーーー‼️みたいなドMの寸止め心理に近いだろう(?)(コンプライアンス)
人間はその頂が高く険しく苦しい道のりだとわかっているのに、高い峰を目指して土臭くあがくのだ。しかし富士山の頂を目指した者にしか頂上に祀られる木花咲耶姫が微笑まないように、キティさんも土臭く愛してくれたオタクたちを無下にはしないのだろう (´∩・▽・。`)
イケメンたちも気が引き締まるのか、役柄とか関係なく背筋がピッと伸びているように見て取れる。
オタクの推し信仰(特に2次元)とは宗教の偶像崇拝に近いものだと感じていて、派閥同士で争いが起きるのは仕方のないことなのかもしれない。人の神様をけなしたら反撃されるのは人間の当然の摂理なのだ!
なのでオタクとして、キャラクターへのリスペクトを演者・スタッフさんからも感じて好感。イケメンの刺身のツマみたいな扱いをされたらもともとのサンリオオタク・サンリオ男子ファンの方はご立腹だろうからな。それが教育なのか自発的なものなのかわからないが素晴らしいですね😢
キラキラを浴びてきゃー♡ってのと同時に、この感じ何⁉️とずっと笑ってしまう。この感じ初めてだな⁉️が多いので、長いことオタクをやっている自分もわろてしまう。
サンリオとラップ・ダンスバトルの相性良すぎますね。シュールな笑いを突き抜けたヘンテコなかっこよさがある。
あとずっとおっさんが舞台にいて謎だったし、サンリオおじさんおもしろかったです( ◜ ࿀ ◝ )あははあはあは
前作にあたる2作目はニコ生配信で観ましたが、九州サンリオ男子よかとね……⁉️というオタクレーダーびびびな感想だったので期待していた。が、やはりよかった。梅崎慎矢クン、かわいいネ⁉️おじさん、こういう子のこと、好きだなぁ♪(v^_^)v梅津瑞樹さんのツンデレヤンキー好演でした!!!さすが刀ステのちょぎ任された役者さんだ。。。🔥
かいつまんだ感想となりますが以上となります。
ソーシャルディスタンスしない環境でやれたらもっともっと楽しい催しだと感じるので、次回作とても期待してます♡オタクが欲しいもの詰め込んでくれたいい催しでしたし、これからも続いて欲しいです。
8/1(日) 大千秋楽ニコニコ生放送(有料)があります!
遠方からもミラクル☆ステージ『サンリオ男子』 ~KAWAII Evolution~のキラキラを浴び散らかしていただきたい。
■配信サイト
■配信内容
8月1日(日)13:00公演 千秋楽全景映像ver.
■視聴チケット
配信ページ▶︎
8月1日(日)13:00公演 千秋楽全景映像ver.
一般チケット:3,000円(税込)⇒ 2,400円(税込)
ニコニコプレミアム会員限定チケット:2,400円(税込)⇒ 1,920円(税込)
※Go Toイベント対象のため定価より20%OFF。
チケット購入詳細は下記番組ページご参照願います。
詳細▶︎
【涼しくなる話】硫黄島からのメッセージ
この時期になると思い出す話があります。思い出すと涙が出てくるのは私が日本人だからでしょうか。
このお話は、酒場で直接聞いた印象的なお話です。
その方(Tさんとします)は元自衛隊員で、特別隊みたいな部隊に所属していたそうです(詳細は民間人には教えられないそうですが、主に日本の南側の防衛をしていたそうです)。
旧日本軍の基地があった硫黄島では、今でも自衛隊の方が演習を行うそうで、Tさんも硫黄島に泊まりで演習に向かったそうです。
厳しい演習を進めていくうちに、Tさんはある夢を見るようになりました。
金縛りに遭っている間、必ず同じ夢を見るそうです。夢の中に出てくる映像は、機関銃のようなものを3人の日本の兵隊が乱射する様子で、必ず夜中の2時ごろに同じ映像を見る。夢を見る間は金縛りに遭っているそうですが、硫黄島の演習中はそういったことがもうしょっちゅうあるようで、周りは当然というふうに取り合ってもらえない。丑三つ時に行進の足音を聞くことなんて当然という雰囲気とのこと。
同じ夢を繰り返し見る夜が数日続き、演習中にTさんはハッとしました。見覚えのある地形が広がっている。戦闘訓練って地形をとにかくしっかり覚えるそうです。夢の中と同じ地形を見つけた。
仲間とともに、機関銃を打っていた人たちがいた場所と同じ場所を掘ったところ、頭蓋骨が3つ出てきたそうです。硫黄島は第二次世界大戦中に旧日本軍が激戦を繰り広げた島なので、まだ眠ったままの先人たちがたくさんいるそうです。
Tさんが帰り際にふと振り返ると、さきほど掘り起こした場所に若い3人の兵隊が立っており、綺麗に敬礼をしていて、そのまますぅっと消えてしまったそうです。
映画『硫黄島からの手紙』、本当に名画です。
おしまい
【読書感想文】『推し、燃ゆ』
── 推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。
── 推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。
〜あらすじ〜
アイドルの"推し活"に命を捧げる高校生のあかり。
推しの炎上騒動とともにあかりの冴えない日常の歯車も狂いはじめて、人生ごと崩れていく。
現代の女性が熱中する推し活に対するメンタリティを知る貴重な資料。フィクションでありながらも若者の姿を露呈しつつ自嘲し皮肉り、まるで現実に起きた出来事のような温度を感じる作品。
読んでいて、現役大学生の著者・宇佐美りん氏もまるで主人公あかりの本質に重ねて混じっているような感覚に陥る。第164回(2020年度下半期)芥川龍之介賞を受賞した実力に裏打ちされた文章の読みやすさも相まって、現代の若者の感性を知ることのできる生きた素晴らしい文学でした。
主人公のあかりは見てて痛々しいけど、今の感覚を描いててなんか読んでて切なくて吐きそうになる、リアルにある恐怖。
── だいぶん昔、父の海外への転勤に一家がついていくことに反対したのは祖母だった、と聞いた。
あかりの母親は典型的な毒親である。世間体を気にしてばかりで、子供達の意思や個性は尊重してくれない。『まとも』に育ってくれて世間から文句を言われないことが至高だという価値観が透けて見える。
あかりの家は表面的には家庭の形をしているけれど中身としては家族として機能していない。毒親もまた毒親の被害者で、あかりの母親のストレスの原因はその母親である祖母との摩擦から生まれていた。
海外単身赴任中の父親は女性声優におじリプ(おじ投稿?)を飛ばしていて、本質的には子供に無関心。あかりにはキモい父親の説教は耳に入ってこない😅😅😅‼️
こんな家で生まれ育ったら私だって自己肯定感スカスカの空っぽになってしまってたと思う。あかりがかわいそうだと思ってしまったよ。
私個人的には人生を振り返ってみて否定されなかったことでしか道が拓けてないから、若い子への否定や抑圧ってむしろ逆効果じゃないかなと思う。
勉強ができない、バイト先でも使い物にならない。世間のレールにはまりきれないあかりがオタクの世界に足を踏み入れたのは納得だ。オタクの世界はそういう一般社会ではどうにもならないような人の避難場所という側面が十分にあるし、そうであり続けて欲しいと私は思っている。
●にたくなるくらいの人生なら劇場来いよ!即売会来いよ!コスイベ来いよ!って感じで思い切ってオタクやって人生捧げればそれはそれでしあわせかもよ(* ॑꒳ ॑*)
勉強や仕事ができなくても、あかりが運営する推しに関するブログにはファンがついている。推しには興味関心があるから、探偵並みの執念で情報を集めることができる。それって超すごいじゃん!!!普通に働ける人でもSNSの閲覧数伸ばすことなんてできない人多いんだから、それはそれですごい才能じゃないか。エンタメ系のマーケティングとかやってみたらど?
ただ好きなことを好きと言ってても社会の需要にマッチしなければ対価は生まれないけど、このエネルギーを身近な家族に認めてもらえていたら、あかりは自暴自棄になることもなく別の道で才能が開花できたような気がする。親や周りの大人は利己的で、短絡的な利益に目が眩むように若者に口出しをしてしまうんだよね。
まぁでも私個人的にはやることやってから好きなことをやるって価値観で人生を構築してきたから、あかりの甘さに口出ししたくなってしまう大人の気持ちもわからないでもない。今の日本で凡人がろくな学歴なく、イレギュラーな生き方をするのって難易度スーパーハードモードだ。なんとかなるとは思うが。
── 翌日、電車の乗車口に駆け込んできた成美は開口一番「無事?」と言った。
友人の成美はあかりとは違ったタイプのオタクだ。
成美は同じグループを推していたけど、より身近な地下アイドルに"推し変"した。結果、整形してかわいくなって推しと繋がってセフレ的なものになった。
あかりはそんなに積極的な方ではないから、性格的に繋がりオタクは向いてなかったんだと思う。
成美はまだ現実の肉眼で可視化できる男性を追いかけているけど、あかりは窮屈な人生の逃げ道の幻想を推しに求めているような気がする。
人生捨てて推しに命を捧げる道を選ぶとしたら、なんでもして鬼稼いで全身整形してやりたいことやるだけやって燃え尽きればええやんけと思ってしまう( ᷇࿀ ᷆ و)و美しい自分は残るし……!!!成美の方がまだ理解できるかな。
──常に平等で相互的な関係を目指している人たちは、そのバランスが崩れた一方的な関係性を不健康だと言う。
あかり、ダメ男にハマってるけど夢から醒めない状態の女友達を見守っているもどかしさに似てる。
元も子もない視点かもしれないけど、ダメ男の場合は現実で肉体関係があるけど推しってプライベートで接点があるわけじゃないから本音で喋る機会なんてほぼないわけだし、よけい偶像化するんだと思う。ダメ男にハマるよりも推しにガチ恋してしまうと厄介。まさに沼って感じだ。
推し活に熱を上げるあかりに対して、周りが「現実の男の子を知らないからだよ」って言ってくるのをあかりが鬱陶しがっているけど、あきらかに推し沼はあかりに現実の同世代男性との接地面が少ないことが原因だと思う。共学の学校なのに作中で同級生の男の子の話題が一回も出てこないのは異様だ。そもそも自分で一回も試してないのにそんなのいらない!よくない!っていう人間が苦手なんで、あかりみたいな女の人見ると肩掴んで揺さぶって頬をビシバシビシバシしたなるよね!恋愛経験が少ないと推しに沼るんだってば。いいカモなんだってば⊂( ’ω’ )=͟͟͞͞⊃
一般的な社会に触れてこなかった芸能人間特有の不器用な社不っぽさをかわいいと錯覚してて、沼ってるそのものじゃないか。グループ解散を個人的な配信で暴露してしまうようなコンプラ意識どころか社会的判断が欠如した推しに、一個人として尊敬できるポイントはあるのかぁーーー???はぁぁぁぁ何やこいつ!?ファンとメンバーのこれまでの時間や労力を侮辱すんなよって思ってしまった\(^o^)/
なんか悪口になっちゃうけどあかりの推し、こんな中途半端で社会人にもなりきれなくて顔だけいい女は殴るくそしょーもない若者に時間もお金も浪費されるのマジで無理なのだが\(^o^)/
女の子って一回ハマってしまうと沼るのはわかるよー!だがそれはリアル恋愛でやろうせめてって思ってしまうよ。だって●ックスすらしないのに…⁉️って驚愕(•͈́༚•͈̀;)あかりへのリターンて何⁉️大丈夫そ⁉️でも推し活してる子からしたらそういう問題じゃねーから!オメーの席ねーから!って感じよね(•͈́༚•͈̀;)ごめんちゃい
男性がアイドルに求めるものは総じて"性欲"に繋がるものの、女性はきっと推しにそれ以上の『心』を捧げてるんだよね(男性アイドルついてる生き霊だんとつで多い説)
でも推しなんて知り合いでもないんだからいい意味で距離置いてかないと入れ込みすぎてしまうよ。自分の虚像の中で作り上げた推しのパーソナリティが崩れた時恨みと攻撃に変わるのが怖い。
私は好意の質量バランスを保ってくれない愛情は苦手だ。人間は相対的な生き物だから、バランスの崩れた状態はまさに不健全だと思う。
なぜなら愛憎の裏返しという言葉のように、好意は時として刃となる。無償の愛なんて育むことは難しくて人間いつの間にか見返りを求めてしまう。
相手が犯罪を犯しても理由を聞かずにかくまえるみたいなものが私は愛だと思う。家族にだってましてや推しにだってそこまでの覚悟を持つことは簡単じゃないはずだし、それって結局他人軸で生きることになりがちだからまずいよねって話。
質量の大きな愛情ベクトルを向けられると特有の吐き気が込み上げてくる感覚、あかりにはないのかな?よく知りもしない人にクソデカい感情向けられるのって好意でも結構恐怖。
アンバランスな愛情はあかりだって向けられてるんだよ。親からの説教や、常連の勝さんがバイト中のあかりに絡んで急にしらけた態度を取ったのだって、一種の独りよがりの愛情じゃないか。若い女の子に特別扱いされたくて、試してつれなかったから突き放したんでしょ。そのせいで巻き込まれたあかりは自分が叱られる目に遭ってた。質量ベクトルって一方的だと表裏一体ですぐに裏返るんだよな。
それは向けられた側にしかわからないし、無作為なベクトルを突き刺されやすい敏感な八方美人にしか備わっていない感覚なのかもしれないな。
── 携帯やテレビ画面には、あるいはステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が壊れることもない、一定のへだたりのある場所で誰かの存在を感じ続けられることが、安らぎを与えてくれるということがあるように思う。
あかり、推しとはへだたりのぶん優しさがあることに薄々気づいていて、でも現実を直視できてないみたいな感覚なのかなと思った。夢の幻想に浸っていたいんだね。推しの真幸を幻想のための道具みたいにしてる。ある意味推し活ってのは相互に非情な一面を孕んでる。
人々の幻想という好意のベクトルをかき集めて商売にするのが芸能というお仕事だと私は思う。同時に、人間の至らなさやいびつな不完全さを愛しているからこそ、そんな人を愛していて、何かしらの希望や活力になりたいと願い身を削って活動することが表舞台のお仕事とも思うよ。
好きは活力になる。オタクは好きって純粋な気持ちから始まってるから、例えば歴史物の作品にハマって日本史が得意になったり、オタ活を自分の糧にすることができる。あかりだって推しの舞台の時代背景を調べたおかげでロシアの情勢に詳しくなったりしている。
ただ生身の人間が介在すると事情は変わってくる。そこには夢見がちでいながらもドロドロした愛憎が渦巻きはじめる。推しのプライベート、恋愛関係、理想と違う内面を覗き見たファンはどうしてもショックを受けるし推しに関わる異性を脅かしはじめる。上手く言えないけど生身の人間が関与すると必ずそう。長いことオタクやってきてそれは知ってる。
特定された推しのマンションまで勝手に足が動いていたあかりのストーカー行為だってそうだ。やられた側はとても恐ろしいことだけど、やってる側は仕方ないみたいにストーカー行為がサラッと描かれていることがとても恐ろしい。推しは芸能界を引退していて、同棲する彼女がいるのにね。あかり怖いよ(•͈́༚•͈̀;)
──所感
私がずっと思い続けてることなんだけど、自分の幸せが成り立ってないのに他人に幸せを分け与える必要なんてないよ。てゆうか出来ないよ。愛は溢れたものを周りの人と分け合うことくらいしかできないんだよ神様でもない私たちには。。自分の幸せが構築されてないと逆恨みに変わる、愛憎は。゚゚(´□`。)°゚。
昔でいうヤンキーの非行に走るみたいな行為が、今の時代だと過激な推し活になっている気がする。ヤンキーみたいに暴れるパワーも残ってなくて、むしろ若者の抱えるストレスが昔とは違うベクトルのような感覚だ。
もちろん全ての人が当てはまるわけじゃないが過度に推し活に傾倒してしまう人って家庭に微妙な問題があるパターンが多いような感じがする。あかりの親だって立派な毒親だ。祖父母問題は子供に関係ないしヒスの女の人苦手だからあかりの母親は見ていて辛かった。大人のメンタリティの問題に子供を巻き込むなよって話ですな。
あかりが人生転がり落としたのもけっこう親の責任が大きいと思った。家族の誰も、あかりのこと結局本当の意味では愛してないような感じでどうでもいいんだろうなと思える言動ばかりで心がしんどくなる。就職しろとか私がやってるんだからお前もがんばれとか根拠のない自分の保身はっかりな言葉だけかけてヒステリックになって、あかりの抱える心の問題には向き合っていないのが不気味だ。高校生くらいの歳の子ならまだ不安定で、生きる目標が定まってない子だって多いんだろうなと思うし。
あかりが推し以外のものに対する無気力なことの原因って自己肯定感の低さが原因なのかもしれないと感じた。空っぽで愛せない自分自身を"推し"という幻想の存在で染めて生きる。もはや病気のような依存。
自己肯定感を高めること。ありきたりな言葉だが、私が思う今の日本が抱える課題のように感じる。
【読書感想文】美容常識の9割はウソ
いつの世も女性は美を求める。美しくなる方法を貪欲に探求し続けて、一周回ってシンプルな美容に行き着くのもまた現代のミニマリスト的な原点回帰の考え方に影響されているのかもしれない。というか、美容がシンプルで美しくなれるならそれがいいという希望的観測な願いも混じりつつこの本を拝読。
現役形成外科医の女性が、数々の患者さんを診てきた医師の視点、またさまざまな論文を参照した論理的な視点で「美容」の真理を捉える。
ポイントは『肌に余計なことはしすぎない』ということだと思う。皮膚の構造を理解して縫合したり、薬剤投与で幹部の経緯を観察してきた医師だからこその説得力を感じさせる考え方だと感じた。
皮膚や成分の特徴については『日本化粧品検定』のテキストにわかりやすくまとめられているので、そちらの内容が理解できていればすっと入ってくる主張である。
『基本日焼け止め+保湿ローションとワセリン、たまに洗顔』がベストというスキンケア理論は、知人である薬剤師の方もまったく同じことを言っていた。医療関係の方は医療に紐づく美容に対する考え方に関してシンプルなスキンケアを推奨する方が多いような気がする。
ただしそれはそれを主張する方の売り上げに関与しない場合のみだと思う。例えばエステ関係者や美容クリニックの医師は消費者に対してこんなことは言わないはずだ。高額なスキンケアも大切な売上だからだ。
まぁ美容に限らず、その人自身の利益に結びつく意見を言ってる人を一回は疑うくせはつけた方がいいよね、とむしろ処世術に想いを馳せるよねって話。生死に直結しない「美容」に興味がある人って余剰資金があったり、生活に多少余裕のある人だと思うので、搾取されやすい貪欲な立場であることは頭の片隅に置いておく。
ここからは持論が混じるスキンケアに対する意見だけど、この本に描かれていた「広告やブランドイメージに左右されすぎない」という点にはかなり賛同する。
美容が好きな人ならみんなブランドやどこのメーカーのあれがいい、芸能人の●●が使ってた、などという雑談に花を咲かせることがストレス解消の一種なのだが、もはや棲み分けた方がいいのでは?!?!元も子もないが、実際の効能とストレス解消用のスキンケアを分ける的な……\(^o^)/
芸能人はお仕事の一環としてスポンサー的なメーカーから商品を提供されることが当然あるだろうし、ステマや薬事法を冒したPRをせずとも「愛用品です♡」とひとことアピればファンは影響を受けて商品購買意欲が刺激される。
だがしかし各々の皮膚って遺伝の要素がかなり影響すると感じるし、皮膚へのケア方法は肌質に合わせたカスタマイズが大切だと思う。
いわば容姿という観点では選民という芸能人になれる人は元の遺伝子から肌がきれいな人が多んじゃないかな?と思うし、その人のスキンケアをまるっとマネしたとして、私たちはどの程度まで美しくなれるんだろう?美肌はスキンケアにとどまらず、運動や食事のライフスタイルが多大に影響する部分ではある。
この本の著者をはじめとした医療関係者がシンプルなスキンケアを推している理由の大きな要素に、「肌のターンオーバーの力を鍛える」というポイントがあると感じる。人間の心や肉体と同じように、肌を甘やかせば甘やかすほどダルダルにだらしなくなり、自分でトラブルを解決する能力が下がるというイメージだろうか。健康維持のためには食事睡眠運動とメリハリをつけた生活が重要、みたいに肌もシンプルなサイクルが結局1番いいということだ。
1mmの厚さもない皮膚に外側からいろいろ刷り込んでも死んだ皮膚をうるおわせているだけでほぼ意味はない、という言葉にはかなり筋が通っている。高級なスキンケアに執着する必要はなく、デパコスなどのときめきは趣味の一環として楽しむべきなのかもしれない。
あとは、自分に適した美容医療を模索しつつ💴のパワーで頼るの大事(´∩・▽・。`)いい時代ですな〜!
この本に書いてあるシンプルな肌への考え方を落とし込みつつ、自分なりにカスタマイズしながら美容を楽しんでいきたいと感じました(読書感想文)
【映画感想】グリース
1972年ブロードウェイにてロングラン公演を実現させた青春学園ミュージカルの先駆け的作品『Grease』の映画版。
作品から溢れる軽くて弾ける明るさがハッピーでエネルギッシュ。作風を引き立てるのは登場人物の感情が昂ったときにどこからともなくはじまるミュージカルソングとダイナミックなダンスだ。登場人物のやりとりが明るくてどこかくだらなくてつい笑ってしまう、元気をもらえる作品。
ハイスクールの不良と清純カマトト娘のひと夏の恋を中心に、若者たちのエネルギッシュでちょっと不真面目な青春の1ページを描く。
ダッセェ車、ダッセェファッション、ダッセェヘアセット、ヤリ●ンとヤリマ●達。だって映画の冒頭、「あの娘(彼)と●っちゃった🎶」という(•ө•)‼️って感じのデュエットからはじまるのだ。
この時代のやんちゃな若者たちを等身大で描いている。でもこういうのいいよねぇ、と思えてくる。浅はかで短絡的で欲望に忠実、だがそれが一周回ってエモくていい。
あほだな〜wと思う反面、素直にやりたいことやったもん勝ちで駆け抜ける青春!ってかわいげがある。この作品に詰まっているものは若者の愚かさと紙一重のピュアなエネルギー、かわいげや愛おしさなのかなと感じる。フレッシュな魂を持ってる人にしか演じられない作品なんだろうな。
こういうことを25過ぎてもやってる人の方がよっぽどやばいので、10代で終わらせておこう( ◠‿◠ )
海外の方ってマブい!
本当にその時の感情を全身を使って歌やダンスで表現してる感じで笑ってしまうw
国民性の違いかな?海外の方ってストレートで感情が豊かな方が多い印象だから、どの感情を歌やダンスに変換しても違和感がない。サンディが一皮むけて不良娘になったとき、ダニーが目ハートにしてメロメロになってるところのダンスがすごい好き\(^o^)/
これ系だとハイスクールミュージカルが好きだから舞台化も期待している。
【映画感想】カメラを止めるな!
https://www.netflix.com/title/81191988
予算300万円のインディーズ映画ながら、SNS等の口コミで広まり2018年の邦画興行収入ランキングで上位を記録したヒット作。
舞台は東京から2時間ほど離れた山の中。ゾンビモノの映画を撮影していた一行に本物のゾンビが襲い来る?!携帯電話の電波すら繋がらない辺境は阿鼻叫喚の嵐、血しぶきパニックになった……はずだった。
作品はタイトル通りの内容だが趣向が凝らされており、大どんでん返しの展開を迎える脅威の映画。
まだ世に広まっていない監督や俳優が登場し手作り感あふれる作品だが、ヒロインの女の子が絶妙にエロくてよい。やっぱりかわいいヒロインって画面に人を引き込む力があるなぁ。ヒロインは呼び水、大切だと思った。
しかし、監督が世間みんながアイドルに思ってることさらっと台詞の中で言ってたりする。そういったセリフの端々の捉え方、鋭さが意外と真理突いてる。含みのあるセリフの言い方など展開を示唆するのが上手い。
開始10分ですでに引き込まれるくらいおもしろいのだが、明るいチープな雰囲気の中に本当にシリアスサスペンスなのかな?と観る人をハラハラのめり込ませる仕掛けや展開が散りばめられていく。
【ここからネタバレ】
1ヶ月前のくだりでは、俳優や女優の裏側をいじっていてなんだか演劇に関わる人特有の視点がおもしろいwこういう人達いるいるあるある的なやつ\(^o^)/
人間観察してる人のキャラクター構築ってクスッときてしまう皮肉がある。
演技について明るくないので単純な感想に過ぎないが、俳優さんってイケメンやきれいな人も出てくるのに、ユニークな顔立ちでさまざまな年齢が人のほうが味があったりするのが不思議。経験から滲み出るものがあるのかな。
監督?助監督?役の女の子、こういう子ほんとにいるー!って笑ってしまったw性格がちょっと強すぎて癖あるんだけど仕事できるから重宝されて活躍してるタイプの裏方業の子笑
さすがの文句なし、楽しませてくれる良作映画d(^_^o)