蝶のように舞い蜂のように刺す

作品へのありがたみを込めるお(^o^)ノシ 舞台・2.5次元ミュージカル・映画の感想備忘録。

【涼しくなるお話】巫女さんをやっていた頃のお話

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三重県の形をしたお巫女さん



 

暑いので"本当にあった涼しくなる話"をテーマに小話を書いていきたいと思います。

 

語ればただのあたおかな人、綴れば立派なオカルト小話。

そんな心持でこれまで体験したり直接耳にしたホラートークを文字として書き起こしていこうと思います。今年の夏は激暑いですし。

 

 

 

──急に当時のことを思い出したので書きます。


齢10に満たないほどの頃の話です。
お巫女さんをやっていた頃のことです。

私は俗にいう童、女児でしたが、当時のことを鮮明に覚えています。

みなさんは『巫女さん』という言葉にどんなイメージを抱くだろうか。
ちなみに私は今でも巫女さんが大好きだ。おお性癖のひとつであり、巫女衣装や巫女キャラ属性が作中にいればついつい愛でがちなキモオタとして、現世(うつしよ)での命を生きながらえさせていただいている。

そんな巫女萌え属性の私だが、ちゃっかり元巫女でもある。
(ちなみに、巫女萌え属性のオタクがなぜか元巫女だったという経歴は自社統計の中ではかなり多く挙がっている事例でもあるので、何か関連性があるのではないかと考えている)

みなさまの巫女萌えはいつからはじまりましたか???私は『犬夜叉』の桔梗です。当時から逆におねショタ、年上萌え属性でした。゚゚(´□`。)°゚。ぴえん
こちらのエピソードは、巫女萌え属性を発動させる以前の、巫女萌えの起源となった地脈といっても相違ないだろう_( ╹◡╹ 」∠)_

 


私の地元は尾張の国の片隅に位置する。農業でかろうじて生活が成り立っているにもかかわらず国境がすぐ側にあるせいで常に戦国時代の戦乱の足音が騒がしいような、古くからの風習が色濃く残っている時代錯誤な集落だった。
また当時は日常だったからそういったことにすら気づかなかった。故に幼少期の習慣や教育は最も重要だと個人的には考えている。

 

お巫女さんは地域の中で10歳くらいになった女の子の中から、神社のおじさまの独断と偏見により3人選ばれる。
ある日の晩、突然ピンポーンと家のインターフォンが鳴り、子供が姿を見せ、おじさんが納得したらお巫女さんのお話をもちかけられる。当時暗闇にうかぶおじさんたちの目の色のことをすごくよく覚えている。引き受けたらそこから数年お巫女さんとしてのお役目を果たすこととなる。

私の地域におけるお巫女さんのお仕事といえば、お正月と秋の2度、奉納祭の頃にお祝いのお神楽を踊る巫女のことであります。
数カ月間はお稽古が毎日あり、学校と吹奏楽部の部活動の後にそのままお稽古のため神社に通っていた。イベントに向けたお稽古は必然的に暑い夏、寒い冬がメインなるので、夏は扇風機、冬はストーブの火が命綱だった。
なぜなのかわからないが、そのとき肌に感じていた温度のことを今でも昨日のことのように思い出すことができる。そして当時なんの根拠やリターンがるかもよくわからないものに対して”私が行かねば”という使命感だけでお稽古を毎日がんばれていた無垢な従順さを不気味にすら感じるし、尊く思います。

お稽古は神社で行われていた。
本殿の中には奥まったところに『神様がいる』っぽい感じの奥の方(お賽銭を投げる奥のところ)があり、稽古をしている建物の横から続く廊下から侵入することが出来た。私はそこの雰囲気が大好きで、特にいつでもピカピカに飾ってある鏡と草っぽいものが好きだった。子供ながらに、そこは神様の住んでいる場所なんだと理解していた。

 

「そんなとこ入ったらかん!!!!」

 

という声でハッと目が覚めた私は、ひとりで本殿の奥の神様のエリアにいた。

呼び止めたのはお囃子のおじいちゃんだった。


その当時は「ごめんなさい」とへらへら笑えば子供だからと許してもらえた。
ただ連日お稽古が続き朦朧とした意識の中で、休憩中に放浪してしまうおは当時からの悪癖であったが、そのときの私はそこに至った記憶がなく夢遊病のように意識がなかった。足を運んだすべて無意識のものとしか言いようがなかったから腹の中でゾっとしていた。
これは人に話してもどうせ信じてもらえないだろうと忘れていたけど、なんか急に思い出した。


ただ今考えれば、巫女として選ばれた我々は、時代が時代なら神様への献上品として奉納されていたのかなと思う。
まさに”食べ頃”の女児を起用している点は、今考えれば生々しい不気味さがあった。羊のラム肉みたいな感じだよね……??

そういえば、お囃子のおじさまから『生理』になることを忌み嫌われたと記憶している。
早い子はそのくらいの時期で来てしまうのだが、とにかく粘って、血が出ていたら鳥居はくぐらないで! とすごい剣幕で言われた。そこで私は、血が出たら用なしなのか、処女じゃなくなったら価値がないからこのような年齢の子を起用するんだ、と悟った。
ただお恥ずかしい話、片田舎となるとそのくらいの年齢では年上の男性と経験を済ませている子は珍しくなかった。日常的にも誘われたので、田舎特有のそいういった事情も懸念しての老婆心からの言葉だったのかもしれない。おじさまたちのおかげで輩の毒牙から逃れられたことは確かだと思うと複雑ですが、これは私の周囲の特殊な環境だけかもしれません。

たった100年ほど前なら私は処女を失う前に人身御供としてこの世から葬られていたんだろうな、ということが大人になり知識を得た今ならわかります。そのような日本特有の不思議な不気味さと神聖さを感じるのが神仏の文化のように思います。

 


余談

でもやっぱり、巡り合わせとか幼少期無根拠に興味を持つ分野などを信じる方なので、巫女属性になった自身の経緯を考えるとやっぱり私が巫女をやったことは必然で、運命だったのかもしれないと感謝を抱く。まぁキモオタにしかならなかったが……
晦日は夜更かしできず、早朝からずっと踊っていたし、踊りなんてちっとも本気で全然まったく上手くないのに不思議と人生には踊りがつきまとった。私には兄弟がいたから、当時そんなに疑問に思っていなかったが、私が踊っている間に兄弟が家族と遊びに行っていたと知ったときはショックを覚えた。
だからきっとエンタメの世界に生きる人に兄弟はいらないのかなとも思う(暴論だが)。だって普通の幸せを知るから辛くなる。でも今は当時の経験が無駄だったなんてちっとも思いません。ちょっと変わった面白い経験っていいですよね。


すごくメンヘラな話に過ぎないが、私は今でもお正月は実家に帰ってその神社にお参りに行くし、何かしらの節目には挨拶に行く。お陰様で事故や災害など不運な目に遭った経験は1度もないように思う。

ただ神仏ならなんでもいいわけではないように思う。相性がある。
No.1は伊勢神宮です。お伊勢さんは空気よくてめちゃくちゃいいですよ!!!毎年必ずお参りに行きます。※お伊勢さんはやきもちやきなのでカップルやご夫婦での参拝は避けるが吉ですよ:(´◦ω◦`):

また今でも相性の合わない神社に行くと体調が悪くなることがある。
例えば私は、有名な熱●神宮や比●山に参った際には突然高熱を出し(普段はめったに風邪をひかないのだが嘘みたいに急に熱が出た)それ以降二度と参っていない。よくわからないが、人も神社も相性というのは大切に想ったほうがよいという所感であります。
ただ今でも鈴の転がる音色やお囃子の重奏、扇子がパンッと一気に開くときのはじけた音を耳元で思い出す。何年経っても身体に染みついているように思う。